制作工程
人形師 島田輝祥
1. 衣裳の裁断
2. 人形のえり元の製作
3. 袴の着せ付け
4. 唐衣の着せ付け
5. 振り付け
6. お顔の取り付け
桐塑頭(とうそがしら)のできるまで
頭師 大塚玉映
1. 原型作り
木彫・粘土・桐塑(とうそ)等を用い原型頭を作る
2. 生地作り
桐粉としょうふ糊を練り合わせ型に入れ抜き取り乾燥させる
3. 目入れ
膠(にかわ)を煮て胡粉(ごふん)と練り合わせ硬めにして目つぼに入れ義眼を固定する
4. 地塗り
練り合わせた胡粉を薄めにしてハケで塗る
5. 置き上げ
硬めの胡粉を用い、目・鼻・口等を盛り上げ整える
6. 中塗り
地塗りと同様に胡粉を作り地塗りより濃いめにして塗り上げる
7. 切り出し
小刀を用いて、目・口・鼻等を切り出す
8. 上塗り
ゼラチンを煮て、粒子の細かい胡粉を練り合わせ、あくを取り沈殿させ上澄みを、三回から五回塗る
9. 彩色
眉、毛筆きを筆で描き、頬紅、口紅をさす
こだわり
紫純雛
一般的にお殿さまの襟の仕立て方は、接着剤で貼り付ける法をとっているものが殆んどですが、紫純雛は、襟と見頃を縫い合わせ仕立てになっております。のぼり(前立)の仕立ものぼりと見頃を縫い合わせて本式仕立になっております。とんぼ頭を受け緒から外すとのぼり(胸)部分が開くように仕立ててあります。実際の束帯衣装と同じ仕立て方です。
本唐衣
返し襟とは?
実際の唐衣は、見頃と返し襟部分の裏地に同じ裂地を使用しています。唐衣の襟は襟を折り返して本来は、裏地の部分を表に出して着用しています。このため返し襟と言います。本唐衣仕立てになっているお姫様の唐衣も返し襟と見頃の裏地に同じ裂地を使用して、縫製の工程も従来の物に比べて2倍の手間が掛かります。